受動喫煙

喫煙による肺がんリスク:サードハンドスモークは肺がんの原因になる!?

前回は、タバコに含まれる様々な有害物質があらゆる場所やものに染み付いていることや、自分でも気づかぬうちに喫煙をしてしまう「サードハンドスモーク」の怖さについてお伝えしました。

今回は、タバコを取り巻く環境の変化に加えて、もっと怖いタバコの健康被害についても説明していきます。

喫煙しづらくなったと感じませんか?

喫煙所や喫煙コーナー、喫煙席など。喫煙者のために様々な場所が設けられていますが、最近では喫煙所や喫煙席の数も減ってきており、「全面禁煙」という看板もあちらこちらで見かけるようになりました。

喫煙者の皆さんは、「なんだか最近喫煙しづらくなったな…」と感じているのではないでしょうか。

もうご存知の方もおられるかもしれませんが、今年(2020年)の4月1日からは、喫煙者を取り巻く環境がさらに厳しくなります。

健康増進法の一部改正に伴い、望まない受動喫煙を防止するためのルールが明確化されたのです。

  • 屋内は原則禁煙
  • 20歳未満は喫煙エリアへの立入禁止
  • 屋内の喫煙には喫煙室の設置が義務化
  • 喫煙室への標識提示の義務付け

具体的には上記のような項目がルールとして施行されることになりました。

飲食店等においても喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室を設けることが義務化されます。

喫煙専用室では飲食等のサービスを受けることができなくなりますので、喫煙しながらの食事はできなくなります。
(※加熱式たばこ専用喫煙室に関しては、飲食等のサービスを受けることができます)

これまで曖昧にされてきた喫煙のマナーなどについても、これからはルールに則って厳しく取り締まるようです。

禁煙席・喫煙席の分け方なども、これまでの形態とは大きく変わったものに変更されていくことでしょう。

肺がんの原因はタバコって本当?

タバコの煙を吐き出す男性

肺がんと聞くと「喫煙者」の病気と思われる方も多いかもしれません。

国立がん研究センターのがん情報サービスで公開されている情報によれば、「喫煙者は非喫煙者と比べて男性で4.4倍、女性では2.8倍肺がんになりやすい」と報告されています。

さらに、若いうちから喫煙をしていた場合や喫煙量が多い場合には、肺がんのリスクがさらに高まるようです。

非喫煙者の受動喫煙でも、肺がんのリスクは20~30%ほど高まることが指摘されていました。

肺がんは、肺の細胞内にある遺伝子が傷つくことによって発生します。

喫煙の他には遺伝的な問題や仕事で有害化学物質に触れてしまうケース、大気汚染なども、肺がんを引き起こす原因として挙げられています。

しかし、これら「肺がん」を引き起こす危険因子のなかで唯一、自分の努力次第で避けられるものがあるとすれば…
それは「喫煙」の習慣を断ち切ることです。

喫煙は自ら「肺がん」のリスクを高める行為であることを、私たちは今こそ理解しなくてはなりません。

サードハンドスモークはなくせるの?

前回の記事でもご紹介しましたが、タバコの煙に含まれる有害物質は、肺がんの他にも動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などのリスクを高めます。

様々な有害物質が私たちの身体に及ぼす健康被害について明らかとなった今、禁煙を推奨する動きや、望まない受動喫煙を減らそうとする取り組みが大々的に行われるようになりました。

「屋内を原則禁煙とする」などのルールはその一環として設けられたのです。

しかし、このような動きのなかでやはり気になるのは、「サードハンドスモーク」についてはどうなってるの?ということなのではないでしょうか。非喫煙者にとっては特に気になる問題ですよね。

知らず知らずのうちに喫煙してしまう「サードハンドスモーク」。これを完全になくすことは可能なのでしょうか?

結論から言ってしまうと、サードハンドスモークの危険性を排除するためには、喫煙者をゼロにするしか方法がありません。

喫煙者から直接出されるタバコの煙だけでなく、喫煙者の身体や持ち物からも、サードハンドスモークは起こってしまいます。

喫煙者本人がタバコの有害物質を常にまとった状態になっているため、サードハンドスモークを完全に遮断するには、すべての喫煙者に喫煙そのものを辞めていただくしか方法はないのです。

「世間は喫煙者に厳しい…」
「タバコくらい自由に吸わせてくれ…」

そんな風に思われるかもしれませんね。
しかし、「タバコくらい自分の好きに吸いたい」では済ませられないような深刻な問題が他にもあるのです。

喫煙者の配偶者(家族)が肺がんになるケース

「タバコを好きなだけ吸ってたとえ病気になっても、それは自分の人生だから構わない」
「自分の人生からタバコを取ったら、何も楽しみがない」

以前お会いした方々がこんなことを言っていました。

しかし、本当にそうでしょうか?自分の楽しみや嗜好品で片付けてよい問題なのでしょうか?

国立がん研究センターの「受動喫煙とたばこを吸わない女性の肺がんとの関連について」という調査報告によれば、夫が喫煙者の場合、タバコを吸わない女性の肺がん(肺腺がん)リスクが上昇するということが明らかになりました。

そのリスクは1.3倍とも言われています。

これに加えて、タバコを吸わない女性の肺腺がんのうち約37%は、夫からの受動喫煙がなければ起こらなかったであろう、と推計されています。

もっとはっきり言ってしまえば、「喫煙者である配偶者と共に生活をしていたせいで肺がんにかかってしまった」ということになるのです。

自分自身へのリスクを高めるだけでなく、自分の喫煙習慣が大切な家族の健康被害の原因となってしまう、という事実から目を背けてよいはずはありません。

受動喫煙による肺がんリスクは、科学的な調査からも「確実」なのです!

非喫煙者に様々なリスクを与えてしまうタバコの怖さをご理解いただけたでしょうか。
次回は、「妊娠」や「妊娠中」のタバコの影響について解説していきます。

<参考>
なくそう!望まない受動喫煙 厚生労働省
原則屋内禁煙です。 なくそう!望まない受動喫煙 厚生労働省
肺がん基礎知識 国立がん研究センター 肺がんの原因 がんを学ぶ ファイザー株式会社
受動喫煙とたばこを吸わない女性の肺がんとの関連について 国立がん研究センター
受動喫煙による日本人の肺がんリスク約1.3倍 肺がんリスク評価「ほぼ確実」から「確実」へ 国立がん研究センター

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